●魚が死んでしまう?
 飼い始めの頃は、原因不明で 魚を死なせてしまうことがあるかもしれません。特に、設置したばかり(1~3ヶ月)の水槽は 水質が不安定で、そのせいで急激に水が汚れることがあり、又 そのせいで魚が病気になったりもします。
  その時期を乗り切り、半年もすれば(飼育のコツが身につくということもあって)そう簡単に魚が死んだりしない水槽になるのですが・・・熱帯魚という趣味 が厄介なのは、その時期を乗り越えるまでは 割と魚が死にやすい、ということです。つまり、最初は 魚を何匹か死なせてしまうことになる(かもしれない)のですね。

  難しく考えすぎて飼育が面倒になる→雑に飼うようになる、というのでは本末転倒ですから、ここはひとつ気楽に構えて、水槽が安定し飼育になれるまで(半年から1年くらい?)、 トラブルを楽しむ、ぐらいのゆとりをもって楽しんでみませんか。



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■ 最初は、魚を水槽に入れる際の水あわせが1つの壁かもしれません。慣れてくれば 案外適当にできる(どのくらい手を抜いても大丈夫かわかってくる)のでらくちんですが、最初は何に気を遣えばいいのかわからないので、ちょっと大変に感じるかもしれません。
  とにかく、水質と水温の急変を避けるのが水あわせの肝です。大変だと思いますが、最初は水あわせの失敗で魚を死なせてしまうことが多いのではないかと思いますので、出来る限りの気を遣ってみましょう。
  尚、魚を水槽に入れて 2週間以内に死んでしまった場合、水あわせ失敗の可能性があります。他の原因も考えられますが、他の原因が特に思い当たらないのであれば、水あわせ失敗を 疑ってみていいかもしれませんね。次回はもう少し水質・水温の急変を避ける工夫をしてみましょう。

■ 水の汚れに 関しては、えさの与え過ぎで水質悪化が早まってしまったのかもしれません。又は、魚の数が多すぎたのかもしれません。急に魚の数を増やしすぎたのかもしれ ません。でも、おそらくは濾過バクテリアががんばって増えてる最中ですから、少し水を換え、あきらめずに飼育を続けてみましょう。3ヶ月もすれば ずいぶん安定してくるはずです。(濾過バクテリアが増えれば水質が安定する。詳しくはこちら
  尚、小さい水槽は水質が安定しにくいようです。立ち上げ初期の水槽では 水質悪化が一気に進行する場合もあるようです。丈夫な魚だと それでも耐えてくれるようですが、それを避けるために 最初はなるべく大きな水槽を、というのがよく言われます。
  まあ、初めての水槽では 大きな水槽だから安全ってこともないでしょうが、大きな水槽の方が リスクが少ないのは確かなようです。
  ちなみに、初心者が魚を死なせてしまう一番の原因は  餌のやりすぎ(による水質悪化)じゃねーの?と私は思います。くどいようですが、餌は極力少なめに。

 特に小型水槽においては、急に魚を増やしたりすると(急に餌の量を増やしたりすると)、水槽内のバランスが崩れて急に水質悪化が進むことがあるようです。 特に、立ち上げて間もない小型水槽(=そもそもバランスが整ってない/安定化の真っ最中)の場合は、魚の新規投入は少しずつ、が基本。
 水質を調べるための検査薬などもあります(亜硝酸やpHを測る)。その数値に振り回されてる人も多いよ うなので 絶対お薦めというわけでもないのですが、混乱しないのであれば(楽しんで測定できるのならば) とっても有益な指針になるのでお勧めです。水質測定の意味を理解していれば むしろ気軽に飼うための武器にもなりますから、興味があれば測ってみるのも楽しいでしょう。

■ 魚の病気については、水質悪化も原因ですが、水換えなどで 急に水温を下げたりすると それをキッカケに病気になることがあるようです。我が家では、大量の水換えや水温低下させてしまった時は、病気予防のおまじないとしてタカノツメを数本(60cm水槽なら5本くらい)入れてます。
  魚の病気では、 白点病というのが有名です。これは早期発見できれば 難なく治療できる病気なのですが、最初の頃は上手く治療できないかもしれません。あらかじめ対処法を調べておき、病気を発見したら早期治療を心がけましょう。
  又、購入の際に、病気になってない 元気そうな魚を選ぶ、ということも大事でしょう。お店の水槽をよーく観察すると、元気な奴・弱ってる奴・病気になってる奴(傷や病症がある)を見分けることができるでしょう。
  尚、病気になってる魚がいる水槽では、他の魚にも移ってる可能性があるので 購入を避けるのが無難かもしれません。

■ 水槽への毒物混入事故の例もまれに目にします。人間にとって致死量でなくとも、体の小さい魚にとっては大ダメージです。部屋で殺虫剤や強い洗剤(バルサンや塩素系洗剤など)を用いるだけでも死ぬ場合があるようですし、それらがついた手を水槽にいれるのは もちろんタブーです。
  死に至らないまでも、消臭剤なども使い方によっては魚の(水槽の)調子を崩す、という人もいるようです。原因不明でどうにも調子が悪くなるという場合は、疑ってみてもいいかもしれません。

■ 他に、夏場の水温対策 も とても重要ではないかと私は思います。飼育書や指南サイトではあまり強調されてないことが多いのは何故だろう? 夏に熱帯魚飼育をはじめるという人が多いであろうことを考えると、例えば濾過バクテリアなんかよりも強調すべきことではないかと思うのですが・・・
  熱帯魚と言うくらいだから暑さには強そうなイメージもあるかもしれませんが、実際には、水温が 連日30度を超えるような環境では、魚のみならず 水槽全体の調子が崩れることも多いようです。扇風機などで水面に風邪をあてる等の対策を考えてみましょう。
  又、夏場(特に初夏や残暑時)の水温上昇がやっかいなのは、昼は暑くなるのに朝夕は水温が下がる、つまり 水温差が激しくなるということでしょう。魚(など 水槽にいる生き物達)は水温急変に弱く、毎日水温が上がったり下がったりするのは辛いようです。多少の水温上昇だけなら耐えてくれる魚も多いようですから、夏の間はヒーターの設定温度を高めにしておく(28度ぐらいかな。それにより朝夕の水温急低下を防ぐ→水温差が少なくなる)という方法を薦める人もいます。

  夏に熱帯魚飼育をはじめるという人も多いと思うのですが、我慢できるのであれば 飼育開始は夏を避けるのが良いかもしれませんね。
  秋口に飼育を開始すれば、次の夏が来る頃には 色々飼育のコツも身についてると思いますし、1年もすれば多少の水温変化では調子を崩さない水槽になっている(水槽を安定させることができるようになる)と思いますよ。


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■ 魚に直接害を及ぼすわけではありませんが、美観を損ねるので 苔が大量増殖するのも困りものです。 苔の発生は 水中の肥料分が多いと言えそうです。魚の糞・魚の餌が苔の肥料になってしまいますから、それほど過密飼育でないのなら、餌を与え過ぎず、それなりに水草が 入っていて、水質が安定し それなりに濾過が効いていれば、そんなに大量発生はしないはずです(もちろん水草肥料なんかも苔の大好物)。
  長い間リセットせずに飼育していると、どうにもこうにも消えてくれない苔が殖えてくることがあるそうですが、セット後1年内外の水槽であれば、「餌与えすぎ!(魚多すぎ)」が苔の原因になっていることが多いような気がします。他には、水換え周期・濾過能力(フィルターは詰まってないか?)なども見な直してみましょう。
  苔は直接魚に害を与えるものではありませんし、適度な苔の発生は水質安定に一役買うそうですから、超絶美麗な水槽を目指すのでなければ、気楽に構えてみましょう。お気楽飼育をしている限り、放置しておいておけば そのうち見苦しくない程度には収まるはずですから、「 気にしない」 というのも1つのテかもしれませんよ。

■ ちっちゃい生物(ミズミミズなど)は、ちょっとくらいなら常に水槽の中にいるものなのだそうで す。小魚の餌にもなるので、状態の良い水槽であれば、魚が食べきれず目立ってしまうほどには増えないはずです。発生条件としては苔と重なる部分が多く、特 に水の汚れが原因と言われていますから、ちょっと多めの水換えで微生物を吸い出し、その後は苔と同様の見直しを行うことでそのうち収まるはずです。

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 最初の頃は、確かに「魚がバタバタ死んでしまう!」という人も多いのですが、「テキトーにやってたけど 別にそんなことなかったよ?」という人も少なくないようです。
  気合を入れて 水槽に色々手を加えてしまうと、結局うまくいかなかったりもするようです。教科書通りに事が進めば そう簡単に魚は死んだりしないはずですが、最初の頃は 「手をかけている」=「しっかり飼っている」と思いがちで、気合を入れすぎて 気付かないところで教科書通りではないこと・余計なことをしてたりするものです。
  初心者の体験談を見ていると、気楽に飼ってる人の方が上手くいってる場合が多いようにも思えます。それはデタラメに飼っているというのではなく、「シンプルにやってるので余計なことをしないで済んでいる」 ということがある気がします。
  当サイトでお気楽飼育をすすめているのは、そんな訳なのです。

  もちろん、万全を期して水槽を管理してゆくのは悪いことではありませんが、「良かれと思ってやったことが魚の死因に」なんてことは多々あるようですので、シンプルじゃないことをする場合は、「それをやることは本当に魚に有益か?」ということを考えてみましょう。
  原因がわからず上手くいかない場合は、思い切って「何もしない!」 というのも方法の1つかもしれません。何もしない、と言うと簡単そうですが、実はなかなか難しいことで、殊に問題が起こった時などは、何かせずにはおれま せんから(笑)、「我慢する」 と言い換えてもいいでしょう。
  「何もしない」、あるいは「我慢する」。この2つは、入門者にとって 意外に大事なキーワードだと私は思いますよ。ツボを押さえた手抜き飼育、これが熱帯魚飼育の秘訣かもしれません。

  デタラメにやってても長続きしませんが、気合を入れすぎても長続きしないものです。「無理しない範囲で一生懸命お気軽飼育」と、そんな感じでどうでしょう?

最初は気軽でいいのだ!
これだけは覚えておきたい14ヶ条
魚と水草の選び方
魚が死んでしまう?
餌の量を見極めよう!
最後に

熱帯魚飼育入門